2009-05-08

シミについて

 一旦出来てしまうとなかなか消えることが無く、健康的な肌であっても目立つ、メイクが厚めになる、肌が荒れる、という循環を生む恐怖の存在です。

 シミ、そばかすの正体は皆さんご存知のメラニン。
 このメラニンはシミやそばかすを生むだけの存在ではなく、皮膚の色(白人、黒人という意味で)、髪の色(金髪、黒髪など)などに影響を与える重要な物質です。
 また、メラニンはタンパク質と固く結合しており、水や油などにも溶けることはなく極めて安定した物質です。メラニンを分解するという思考は、美白化粧品を考える時にはあまりありません。メラニンを分解しうる物は、皮膚組織を破壊しうる物だからです。となると自然に、シミの予防という考えに至ります。
 シミ(メラニン)の生成を防ぐことによって、シミはいずれ薄くなっていきます。肌は新陳代謝によって常に新しくなっていくからです。

 それではメラニンの生成を予防するにはどうしたら良いか。逆に言えば、どうやったらメラニンが生成されるのか。
 基本的には、これは体内(皮膚における真皮より内側。皮膚表面より1~3mm)にまで影響を与える刺激を受けることによって、メラニンは生成されます。メラノサイトからメラニンという安定した色素を生成して、皮膚内部への刺激を和らげるのが目的です。メラニンが生成されるのは皮膚の防御機能の一種です。

 皮膚内部への刺激としては、日光や静電気などがありますね。また、臓器機能の低下や偏食についてもシミの原因となります。
 日光は一番簡単で誰でも解かりやすいですね。帽子かぶって日傘してください。これが一番安全確実。
 静電気は一見解かりにくいですが、皮膚は意外と静電気が溜まります。脂肪の多い人は特に。そこへ濡れた手で触ったり金属類を皮膚に付ければ微弱ながらも静電気が流れますね。洗顔やメイクをする時、いつも同じ場所から始めているとその場所ばかりが刺激されてシミになる場合があります。
 臓器機能の低下は、体壁反射という現象で、シミだけではなく肌荒れなどの皮膚のトラブルを起こしたりします。ホルモンの異常増加もメラノサイトを刺激してメラニンを出してしまいます。
 偏食は、単純にメラニン生成の元になる物質を多く含む食品を摂れば、それだけメラニンは出来やすくなるんじゃないでしょうか。チロシンですね。豆類、チーズ、粉乳、のりなどが多いと思います。コーヒーなどに含まれるカフェインはメラニンを移動、拡散させるためにシミを大きくする可能性があります。また、血液が酸性に寄ることによって目の周囲が黒くシミになる場合が多いですねー。肉ばっかり食べてもダメです。でも、女性の場合は生理で血液のpHが変わるので、いかんともしがたいですね。こればっかりは自然の現象です。寝不足の場合とまったく同じ現象が起こります。
 あとは心的なストレスなども、ホルモンの分泌や自律神経に影響を与えるので、それらに刺激されてメラノサイトも…という考え方もありますね。理論的には。臨床実験などが行われているわけではないのでなんとも言えませんが。

 結論としては、予防しか仕方がありません。今すぐに消したい! という人は皮膚科に行って切除して下さい。
 でも、肌は新陳代謝を繰り返すので、予防だけで十分な効果が期待できると思います。