2016-04-20

なぜいじめは起きるのか

 なぜいじめは起きるのか、と考えた事はあるだろうか。
 私は「いじめが起きるのは必然」と考えている。

 いじめは、最初は遊びの一環として起きる。猫や犬、猿やイルカなど多少の知恵のある動物は獲物で遊ぶ事がよくある。子供のうちは特に。そうやって学んでいる。狩猟本能や闘争本能を鍛えている。
 闘争心、競争心の無いまま育つとどうなるのか。牙の無い肉食獣は飢えて死ぬだけだ。現代社会に無気力な大人のなんと多い事か。
 だから、闘争心や競争心を育てるのは必要なことであり、正しい学び方だと思う。これを否定する人は、何億年とかけて培ってきたDNAを、たった数百年で書き替えられると言うつもりだろうか。

 また、子どもはよく虫を捕まえ、飼い、殺す。
 そうやって学んでいるのだ。そうして学ばないと、加減を知らない人になる。これも子供の成長には必要なことだ。好奇心や探求心はより多く学習したい子供の活力である。
 虫が居なかったり、さわらせてもらえないとどうなるか。解かるよね。

 加えて、人間は集団生活を行い社会を形成する生き物だ。動物で言えば群れをなすと言う事。群れの弱点となる存在はその集団から疎まれる。当然である。
 なので、ハンデがある子や活発ではない大人しい子がいじめの対象となるのである。いじめられるのには理由がある。
 かと言って、いじめられる理由を克服しろと言っても大抵は無理な話であるし、いじめられる方が悪いなどと言うつもりもない。
 ただ、理由もなくいじめられる事はないし、いじめる側にも理路整然とした納得のいく動機がある。子どもにはそれが表現できないだけで。

 このように、いじめは必然として起きる。人間も動物なのだから必然だと思う。
 だから、いじめを起こさない努力をするのは無駄であり、人としての能力を損なう育て方だ。
 やるべきなのは、いじめをしたらちゃんと怒り、叱る事だ。必然として起きるものであるが、善悪をつけるならば悪である。悪いものは悪いとちゃんと怒る。
 動物でも、善悪を含めて遊びで学んでいくうちに大人になり、無駄な遊びの回数は減る。

 種を残し発展させるためには仲間割れや迫害などは無いほうが良い。だが、実際は動物の世界でも当然のように起こっている事であり、大人の世界でも数千年繰り返していることだ。必然である。
 何の理由もなくいじめが発生するとか、いじめを止めさせれば全てが解決するなどという幻想は抱かないで欲しい。
 1つ制限すればそのリスクと代償は支払う事になる。

 いじめ対策というものは、そこをふまえた上でやってもらいたい。